2017年4月28日金曜日

CT名誉毀損裁判の判決文を読んで

今週は、ゴールデンウィークの特別企画ということで、カルト問題に詳しい先生方をお招きして対談していただきました。1人は教団でのお立場上、匿名になりますが、そのような重要な立場にある方がクリスチャントゥデイの事務所に来てくださり、その内実を見てくださったということだけでも大きな意味があります。もちろん、対談の内容自体も非常に感動的でした。近々掲載しますので、お楽しみになさってください。

本紙がこの4月から、記者のプロフィールの明記(各記事のタイトルのすぐ下に記者名があり、それをクリックすると、記者が何教会に属するクリスチャンかなどが分かる)やこのブログを始めたことなどを、たいへん評価してくださいました。

この対談の企画を思い立ったのは、和賀真也さん(エクレシア会代表、元セブンスデー・アドベンチスト教団八王子教会牧師。著書に『統一協会―その行動と論理』〔新教出版社、1978〕、『統一教会と文鮮明』〔同、81〕がある)が昨年6月に本紙に寄稿してくださった「カルトの脅威とメディアの役割」というコラムで次のように書いてくださったのを読んだのがきっかけでした。

「このクリスチャントゥデイも、一時統一協会との関連が取りざたされていたことがあったが、統一協会側との関連の有無については裁判で決着を付けるまでに向き合った姿勢(は)関係者には学ぶべき点があると思われる。・・・そうした堅実な姿勢を踏まえた上で、こうしたネットメディアがカルトの危険性、問題性を常に世界に発信しているならば、被害者予防だけでなく、すでにカルトに取り込まれてしまっている内部信者たちにも、大きな気付きを与え、多くの人々に良き貢献をなすことになると思う」

今後もこのようなカルト問題についての記事を本紙でも続けて企画・掲載していくつもりです。

ところで、「クリスチャントゥデイも、一時統一協会との関連が取りざたされていたことがあった」というのは、簡単にご説明すると、次のような事情があります。

2002年、クリスチャントゥデイ(以下、CT)は20代の若者Tさんによって設立されました。アメリカ留学中だったさんは、韓国や米国で始められた「クリスチャントゥデイ」「クリスチャンポスト」の活動に触れ、そのようなキリスト教ネット・メディアを日本でも始めたいと考えたのです。そして、立ち上げ当初、韓国でいちばんアクセス数の多い保守的なキリスト教ネット・メディア「クリスチャントゥデイ」から記者や資金などの援助を受けました(現在は、翻訳記事協力だけで、組織的には独立しています)。

その韓国の「クリスチャントゥデイ」の設立者、張在亨(ジャン・ジェヒュン)氏は長老派の牧師で、現在は世界福音同盟(WEA)北米地区の理事ですが、20代から40代にかけて統一協会の外郭団体と関わりを持っていたことから、現在も統一協会に関わり、自らを「再臨主」としているという疑惑がライバル・メディアから出されました。しかし、韓国の福音的な60教団以上が加盟する韓国基督教総連合会(CCK)の異端対策委員会が調査したところ、張氏は「統一協会関連団体で働いていたことがあり、これを深く悔い改めて懺悔する旨記載した『悔い改めの自筆覚書』を提出し」、またさまざまな調査をした結果、同委員会は「張在亨が1997年以降統一協会と関係をもった形跡はない」との声明を発表し、この統一協会疑惑について「無嫌疑であり、問題は終結したことを公表した。正統派キリスト教徒の最大組織である世界福音同盟(WEA)は、同年、その加盟団体である日本福音同盟に対して、張在亨の疑惑は解消された旨を通知した」(2013年11月のCT名誉毀損裁判の判決文より)。


こうした疑惑は、ヨイド純福音教会のチョー・ヨンギ牧師にかけられたお金や女性に関わる虚偽の疑惑などと同様、保守派の大物牧師を攻撃するときのライバル・メディアが使う常套手段と言われています。韓国の教会事情のよく分からない日本人クリスチャンは、その真偽を確認するすべをあまり持たないため、一方的な情報に頼るしかないというのが実状です。また、日韓における統一協会の社会的な捉えられ方の違いもあって、日本のCTへの誤解をさらに複雑にしているようです。

本紙会長の峯野龍弘(ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会主管牧師)は実際に韓国に行ってCCKの代表的な牧師たちにこの問題を確認し、張氏とも直接会って話をした上で、統一協会問題などについて日本では誤った報道がされていることを確信したのです。

このCT名誉毀損裁判は、ある人物が2006年頃からブログで、CTが「統一教会と関係のあるカルトで反社会的行為をする集団である」という書き込みを繰り返し行ったことで、CTの「社会的信用は著しく低下した。(CTは)キリスト教関連の情報提供を主要な業務としており、その主な情報受領者はキリスト教の関係者であるところ、キリスト教界において統一教会は異端であり、問題のある団体であるという共通認識があり、本件各表現によって、(CT)の社会的名誉が毀損されたことは明らかであり」、「本件各表現を本件ブログから削除することが必要である」と認め、その表現の一つ一つを検討した上で該当する文言の削除が命じられました。「被告が、原告会社(CT)と対立関係にあるCCKーJ側からの伝聞情報を鵜呑みにして書き込んだ、具体的裏付けのない信用性の低い表現である」といった言及も、判決文における「裁判所の判断」の中にあります。

もちろん、偏った情報が流布されるのは、韓国の複雑なキリスト教事情を把握しきれない日本のキリスト教界の限界だとは思います。しかし、その冤罪に苦しむ者にとっては日々、取材拒否や言われなき誹謗中傷を受けるという、人権侵害にさらされることになります。

長年、そうした非難の矢面に立ってきた初代社長のTさんは、2011年に現社長の矢田に経営をバトンタッチして、現在は本紙から離れて別の会社で働いています。峯野は自身の教会の最年少役員でもある社長の矢田を全面的にバックアップしながら、金銭的な流れをはじめ、キリスト教メディアとして健全な経営がされていることに、会長として責任を持って関わっています。

編集長である私、雜賀も、記事の取材、執筆、編集、掲載において、統一協会やカルト的な圧力を受けることなく、主にある平和と自由を持って記事を配信しています。CT疑惑を取材された方や教団の責任者の方にも、CTに関わるさまざまな方々にも話を聞き、こうして裁判記録なども読んだ上でこのことをお伝えします。